代表者紹介

代表者紹介|里宇 文生(りう・ふみお)

リハビリ・フューチャーズ代表
オンライン言語発達支援「ことサポ」運営責任者
医学博士/リハビリテーション科専門医・指導医

ごあいさつ

医療の知と、暮らしの声をつなぐ。
その人らしさを、未来へつなぐ。

はじめまして。
リハビリ・フューチャーズ代表の里宇 文生(りう・ふみお)と申します。

私はこれまで、リハビリテーション科専門医として、大学病院・国立病院・回復期病院・在宅医療など、さまざまな現場で診療と研究に取り組んできました。
その中で一貫して大切にしてきたのは、「その人の人生に耳をすます医療」です。

リハビリは、単なる機能回復ではなく、「生き方を支える医療」です。
在宅や施設、学校や通所先には、医学書には載っていない、「生きること」そのものがあります。
部屋の壁に飾られた思い出の写真、読みかけの本、玄関先の鉢植え、ある日の夕ご飯、保育園に通うきょうだいの声……支える人々と支えられてきた人々の姿…..。

そのすべてに、その人が生きてきた時間の重みと「これからをどう生きたいか」という願いが詰まっています。「何気ない日常」にこそ、その人が望む暮らし=リハビリの本質が詰まっていると、私は信じています。

在宅医療を、いまも「ライフワーク」として

私は現在も、在宅医療をライフワークとして続けています。
ご自宅や施設にお伺いし、住み慣れた場所で、その人らしい暮らしを支えるために診療を行っています。

そこには、「もう一度口から食べたい」「また言葉が話せるようになりたい」「歩けるようになりたい」「家族に囲まれて過ごしたい」「数年ぶりに外出がしたい」「お風呂に入りたい」といった、様々な人生の願いに日々向き合う営みがあります。
そして看取りの場面では、その人の「命の物語」の結末に立ち会うこともあります。

リハビリで培った「生活を見る視点」と、医師としての「全身を診る視点」が両立して初めて、
安心と尊厳を支える医療が実現できると、私は実感しています。

一人ひとりの暮らしに届くリハビリを

私はこれまで、脳卒中・骨折・関節症・脊椎症・脊髄損傷・難病・認知症・内部障害・老衰・脳性麻痺・小児など、あらゆる年代と疾患を対象に診療してきました。
現場で痛感してきたのは、「必要な支援が届かない暮らし」がいかに多いかということです。

  • 自宅で寝たきりになっている方
  • 介護や子育ての中で言葉にできない思いを抱えたご家族
  • 地域に専門職が不足しているために必要な支援を受けられない子どもたち

私は、こうした方々にリハビリの支援を届けたいと思い、
専門職と連携して、在宅ボトックス注射や装具作製、訪問リハビリ、小児療育、言語発達支援などを現場で実践してきました。
どの支援にも共通しているのは、「暮らしのなかで、人が自分らしくあること」を支えるという理念です。

科学と実践をつなぎ、日常を支える力へ

医療の世界では、経験や感覚だけでは解決できない複雑な課題があります。
一方で、科学的な知見やテクノロジーがあっても、それを「人の暮らし」に落とし込めなければ意味がありません。

私は、これまでリハビリ医としての臨床経験を土台に、大学や企業、国の研究機関と連携しながら、
さまざまな研究開発にも携わってきました。

  • 脳波とロボットを組み合わせた、重度麻痺の方のリハビリ手法の研究開発
  • 呼吸の動きを可視化し、数値化する評価機器の研究開発
  • テクノロジーを活用した、リハビリ専門職の遠隔支援モデルの研究・実証 など

これらの取り組みはすべて、「どうすれば、医療や科学の力が、目の前の人の日常や困りごとに届くか」という問いから始まっています。

私が大切にしているのは、「目の前の一人に届くこと」と「社会全体に還元できること」です。
どちらかに偏るのではなく、臨床と研究の両輪を、現実に生きる人々のために動かすことが、私の役割だと考えています。

医療のリハビリから、暮らしのリハビリへ

リハビリテーションは、脳卒中や骨折、神経難病などの「病気やけがの後」に行う医療として知られています。
しかし本来は、教育・福祉・就労・介護・地域づくりなど、人生のあらゆる場面を支える力を持つ支援です。

たとえば――

  • 保育園や学校では、子どもの姿勢や書字、ことばの発達を支えるために、環境調整や個別支援を行うことができます。
  • 就労や生活支援の現場では、障害や特性に応じた働き方や暮らしの工夫を一緒に見つけることができます。
  • 高齢者や地域の場では、転倒予防や認知症予防、介護予防など、生きがいを支える活動に広がっています。

私自身、これまで多くの優れたリハビリ専門職とチームを組みながら、こうした支援を共に行ってきました。

その経験を通じて確信しているのは、リハビリの専門性は医療にとどまらず、社会のあらゆる場所で活かせる力だということです。

だからこそ私は、リハビリを「治療」だけで終わらせるのではなく、
「人が自分らしく生きるための支援」として社会に根づかせていきたいと考えています。

「リハビリ・フューチャーズ」が目指すもの

私が代表を務める「リハビリ・フューチャーズ」は、
医療・教育・福祉・テクノロジーをつなぎ、次世代型リハビリ支援を実践・研究・創造するチームです。

たとえば…

  • 「ことサポ」:オンライン言語発達支援。どこに住んでいても、子どもたちにことばの支援を。
  • 遠隔リハビリ支援:通院困難な方や専門職がいない地域に、リハビリを届ける伴走型支援モデル。
  • 大学・企業・自治体連携:子ども・高齢者・障害者を支える仕組みを、地域と共創する。
  • テクノロジー開発支援:AI・アプリ・ロボット等、専門職の力を社会に実装する支援。

私たちが目指すのは、「全ての人が自分らしく生きられる未来」です。
医療の枠を超えて、リハビリの知を社会のあらゆる場面に届けていく。
それが、リハビリ・フューチャーズの使命です。

最後に

障害があっても、病気があっても、子どもでも、高齢者でも——
誰もが「自分の人生を、自分らしく生きる」ことをあきらめなくてよい社会を、私は心から願っています。

そしてそのために必要なのは、「つながり」です。
当事者、保護者、セラピスト、企業、教育関係者、研究者——
それぞれの立場を超えて、未来を一緒につくっていけるパートナーシップが、ここにあります。

ともに支え、ともに学び、ともに創る。
リハビリの力を、社会の力へ。未来の当たり前へ。
リハビリ・フューチャーズは、その実現に挑み続けます。

医療・教育・福祉・テクノロジーの力をつなぎながら、すべての人が、自分らしく生きることができる未来を、皆さまとともに目指してまいります。

未来は、誰かに委ねるものではなく、私たち一人ひとりがつくるもの。

その一歩を、ここから一緒に始めませんか。

学歴

  • 慶應義塾高等学校 卒業
  • 慶應義塾大学 総合政策学部 卒業 (慶應SFC AWARD受賞)
  • 大分大学 医学部 医学科 卒業 (学士編入学)
  • 慶應義塾大学 大学院 医学研究科 博士課程 修了 (医学博士)

主な勤務歴

  • 自治医科大学附属さいたま医療センター (ベストレジデント賞受賞)
  • 慶應義塾大学病院 リハビリテーション科 (ベストレジデント賞受賞)
  • 国立病院機構 東埼玉病院(リハビリテーション科・総合診療科)
  • 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター附属診療所(診療所長)
  • さいたま市総合療育センターひまわり学園(非常勤医師)
  • 東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション科(医長)
  • 医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック春日部 (訪問診療)
  • 医療法人社団健芯会 ライフクリニック (訪問診療、訪問リハビリテーション)
  • 医療法人社団弘徳会 那須訪問診療所 (訪問診療、訪問リハビリテーション)

研究歴

  • 慶應義塾大学 リハビリテーション医学教室(大学院)
  • 国立病院機構 東埼玉病院 臨床研究部(客員研究員)
  • 鉄道弘済会義肢装具サポートセンター附属診療所(客員研究員)

主な研究業績(企業との共同研究・査読付き英文)

  1. EEG-based neurofeedback training with shoulder exoskeleton robot assistance triggered by the contralesional primary motor cortex activity in poststroke patients with severe chronic hemiplegia.
    Takasaki K, Liu F, Ogura M, Okuyama K, Kawakami M, Mizuno K, Kasuga S, Noda T, Morimoto J, Liu M, Ushiba J.
    Annals of Physical and Rehabilitation Medicine. 2018; 61(Suppl): e94–e95.
    → 大学および企業と連携した脳波×ロボットリハビリの臨床研究。
  2. Feasibility of a respiratory movement evaluation tool to quantify thoracoabdominal movement for neuromuscular diseases.
    Liu F, Kawakami M, Tamura K, Taki Y, Shimizu K, Otsuka T, Tsuji T, Miyata C, Tashiro S, Wada A, Mizuno K, Aoki Y, Liu M.
    Respiratory Care. 2017; 62(4): 423–431.
    → 神経筋疾患患者の呼吸評価ツールの企業共同開発・臨床応用。

👉 その他の研究業績:ResearchGate – Fumio Liu

資格・認定

  • 医学博士(慶應義塾大学)
  • 日本リハビリテーション医学会 専門医
  • 日本リハビリテーション医学会 指導医
  • 身体障害者福祉法 第15条 指定医
  • 難病指定医

特許

呼吸運動測定装置(特許第6205556号)

  • 出願日:2014年6月3日/登録日:2017年9月15日/存続期間満了:2034年6月3日
  • 発明者:青木 義満、田村 仁優、里宇 文生、清水 克己、滝 良仁、竹村 安弘
  • 概要:胸腹部運動の定量評価装置。国立病院機構および企業との共同研究成果。
  • 🔗 J-PlatPat 特許情報(公式)

生体情報処理装置およびプログラム(国際特許出願 WO2017/195903)

  • 出願日:2017年5月15日/公開日:2017年11月16日
  • 出願人:学校法人慶應義塾
  • 発明者:牛場 潤一、里宇 文生、高崎 兼一、西本 敦子、平本 美帆、水野 勝広、里宇 明元、藤原 俊之
  • 概要:脳波によって脳の活性を検出し、BCI型のリハビリ機器を作動させる技術。
  • 🔗 J-GLOBAL 公開情報(JST)